工学部における研究体制の飛躍的発展を期するためには、新鋭研究用機器を各学科共同で導入し、共同で管理運営していくことが効率よく合理的である。この目的を推進させるために、昭和38年3月、工学部創立65周年記念事業会より4階建約1,900 m2の試験・研究施設と研究用機器の寄付を受けた。さらに、研究用機器が学科共同で導入され、総合的な共同利用の研究施設として管理運営してきた。
昭和41年4月1日、国立学校設置法施工規則第20条にもとづき、工学部附属の研究施設として認可され公的に発足した。
その後、機器の導入・更新とその効率的な運用の改善に努め、施設の整備充実を進めてきた。設置機器の稼働率はきわめて高く、多くの研究分野で利用されて、初期の目的を達成してきた。しかしながら、当センターも竣工後30数年を経過し、その間の科学技術の進歩は著しく、機器運用のための諸条件も厳しくなってきた。また、センターの設置機器および利用者は増加する反面、建物の老朽化が進んだ。そこで初期の目的を達成させるために施設新営を要望してきた。
そして平成6年度の概算要求で、5階建で旧センターと同じく1,900 m2の新設移転が認められた。新設移転に先立ち、共同利用を前提とした機器を公募し、機器室のありかたについても見直すことにした。その結果、設置機器は増加し、15の機器室に再編され、平成8年10月に現在地へ移転した。
機器を設置するための基盤、設置機器の増設により共同利用研究施設としての機能がさらに充実された。しかしながら、設置機器の中には旧態化しているものが多く、設置目的を果たすためには機器の更新と最新機器の導入が不可欠である。
現在、「工学研究機器センター報告」を年1回発行し、センターの機器を利用して公表された論文等の寄稿が2,200余報に至っている。